【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
「お前……」
というコイツのゾクッとするほどに低い声を聴いて。
……あ、怒ってるな。と直感的に思ったのは言うまでもない。
辻宮が、私を見下ろして、不敵にほほえむ。
しかし、そのこめかみの辺りには、怒りのマークがくっきりと……見えるようだった。
「お前には、どうやらお仕置きが必要みたいだな」
「あ……あの…」
「覚悟しろよ、美里」
「いっ、嫌だああーっ」
誰か助けて!危険な予感しかしないんだってば!