【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
私は何も言えないでいると、それを肯定と受け取ったのか、自分のネクタイを見せてきた。
そこには、"A"のシルバーの刺繍。
私のネクタイには、美里のMの刺繍があるけど、それは金色だし、それに黒田さんは繭だから、私と同じ"M"の筈だった。
「シルバーって……男子ですよね?」
「これはね、私の契約者のネクタイなの。この学園には、特別な校則があるのよ。
それは、主従制度っていって、男が気に入った女を、自分のパートナー……いわゆる、付き人にできるの。
もちろん、自分より位が高くないとダメ。だから、私も瑠璃も先輩と契約してるの」