SONG OF TEAR
「…ん~…あ、どうしよ…」
少し困った様な顔をすると、近くにあったリュックをあさくって二枚の紙を取り出した。
「はい。じゃ俺も俺の曲あげる。雫が歌ってよ。この曲」
その二枚の紙を見ると一枚は音符が並んだ譜面、もう一枚は歌詞の上にメロディーラインが書いてあった。
…今時紙でやるなんて珍しい。興味本位で歌詞を見てみると、葵がどれだけ凄いか分かった気がする。
「葵、ギター貸して」
初めて他人の曲を本気で歌いたい、と思った。歌詞はめっちゃ良いし、曲がこれに着いたらどうなるんだろう。
「はい。返してね」
「ありがとう」
ギター弾くのは久々だから上手く弾けるか分からないけど、譜面を見ながらギターを奏で始める。