SONG OF TEAR
「ねぇ。何の為に生きると思う?」
夢を見失ったあたし。病気と闘う内に汚れていった汚い自分―…。こんなあたしでも、もうすぐ…その時が来る。
「わかんねぇ。でも俺は、自分の為じゃ無くて…」
「え?」
慌てて葵は口を塞いで視線をそらす。
「いや、何でもない」
傷ついた表情でも何でも無かったから特に気には止めなかった。
しばらくあたしが黙っていたら静かに寝息が聞こえてきて、振り向くと葵はいつのまにか寝ていた。
「サラサラ…良いな…」
柔らかそうな髪の毛に触れて頭を撫でる。何か葵がとても可愛かった。
「オヤスミ」と小さな声で呟くとあたしも昼寝する事にし、瞼を閉じるとすぐに深い眠りに誘われていった…。