SONG OF TEAR
白い天井、白いカーテン。…またあたしは何日も眠り続けて居たのだろうか。そこはICUだった。
「上郷さん目覚めました」
近くに居た看護士が先生を呼ぶ。腕は無数の点滴に繋がれていた。
死ななくて良かったと思いながら天井を見ていると先生が荒い息をしてやって来てあたしを見た。
「…今日1日様子見て大丈夫なら明日、病室に戻しましょう」
先生はもう分かっていたのか一度も視線を合わせようとしてくれなかった。それだけ危険な状態に、居たんだろう。