SONG OF TEAR
SONG OF TEAR-ふたしずく-
次の日の昼。親友の麗が青い薔薇を持ってお見舞いに来てくれた。

「青い薔薇結構高かったよ…。最近出来たばっかだから必死に探したの。ドライフラワーにしてきたよ」

長い話をしなから麗は花瓶に花を差す。前に青い薔薇の話をしていたのを覚えててくれた事が嬉しかった。

「ってかさ、隣のベッドの子カッコ良くない?雫の理想のタイプやろ?」

耳元でそう囁かれて思わず顔が熱くなる。好きと自覚してしまったから、平気なフリは出来ない。

「うん…。好き、だよ」

悲しい筈なのに、そんな感情より"好き"って思いがあたしを優先していた。

「でも、伝えられない」

そのたった一言が、麗が頑張って笑ってた笑顔を崩させてしまった。本当は麗も限界だったんだと思う。

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