SONG OF TEAR

「明日から病室に、男の子が入院してくるから」

本を読んでいたあたしにいきなり看護士さんは言った。

「…今までずっと独りだったのに?」

何で今更。死ぬ時が近づいてることくらい分かってんのに。あたしは独りで死にたい…。


窓からは、たくさんの人が見える。

でも下を俯くよりは空が好きだから。冷めきってる自分の心が唯一暖かくなる瞬間だと思う。

その内、呼吸も出来なくなる。

あたしは本当にあたしなのか分からなくなる。…そんなみっともない姿人に見られて死にたくないのに。

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