恋物語




………しかし、俺も重症だな……。





あの時、小野崎が降ってきた時はかなりびびった。
あまり感情は表に出ないらしい(琢磨談)が、内心物凄く焦った。


それで……見過ごすわけにもいかず、反射的に小野崎を……抱きかかえた。

今思えば、すげぇ事したな……。

降ってきた原因はわからないが、取り敢えず怪我はないようで安心した。………不意打ちはくらったがな。


………あの謝り方……破壊的だろ……思わず顔を逸らしちまったが、よく耐えた、俺。



今まで接点がほとんどなかったから、すげぇ嬉しかった。
いや、小野崎はどうかはわからないが、俺は嬉しい。

距離が少し、ほんの少しだが、縮んだ気がした。



名前も聞けたしな。
………これだけで満足するとか、本当に重症だ。

頭撫でちまったし。
すげぇ心配そうな顔をしてたから、無意識に。


無意識に………。

そうだ。無意識だ。
下心などない………はずだ………!



 
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