恋物語
サラサラな黒髪に、
きりっとした目つきに、
凜とした姿に、
俺は、
惹かれた。
「………俺の事は、いいんだよ」
考えたら暑くなってきた。
顔が暑い。熱い。
無理矢理話を変える。
そうだ。今杞憂すべきは琢磨の事だ。俺じゃない。
「これから、どうすんだ?」
琢磨の肩が跳ねる。
わかりやすいなお前。
「諦めんのか?」
「それはやだっ!」
いきなり声を荒げる。……相当本気な証拠だな。
「ならどうすんだ」
「………………」
答えは返ってこない。
もう今日はだめだな。
俺は琢磨を置いて、部室に戻る。
……先輩たちと目が合った。