恋物語
「…ちょっと用事できたんで、部活サボリます」
「いやサボるって言っちゃってるし!ならおれもサボるー!」
「工藤却下。……境井の事だろう?」
「…………はい」
「なら、いい。仕方ない。明日は必ず出ろよ」
「はい」
流石佐々木先輩。物わかりがいい。
先輩に頭を下げ、荷物を抱えて意気消沈の琢磨の元に戻る。
「帰るぞ」
「え、部活は?」
「この状況でできるか。ほら、いくぞ」
「…うん、ありがとう」
ったく、
世話の焼ける親友だ。