恋物語



ニ学年の教室は三階にある。
階段はまだしも、廊下はもう視線だらけ。

私は玲を先に歩かせ、その後ろを隠れるようにして歩いた。


悪い事をしたわけでもないのに……。



「一般女子からしたら羨ましい事この上ないけどな、この状況」

「代わってあげられるのなら代わってあげたいぐらいなんですけど」

寧ろ代われっ!

「ははっ、イヤミにしか聞こえないぜ!」

はぁ。
教室につくまでが辛い……。



がららっ



じ――――――っ



教室についても辛い……。


私の席は教室の奥の一番端にある。くじ運がいいのか、その前の席は玲の席だ。

日当たりもよく、先生の目もあまり届かない最適な席。



 
< 8 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop