恋物語
ニ学年の教室は三階にある。
階段はまだしも、廊下はもう視線だらけ。
私は玲を先に歩かせ、その後ろを隠れるようにして歩いた。
悪い事をしたわけでもないのに……。
「一般女子からしたら羨ましい事この上ないけどな、この状況」
「代わってあげられるのなら代わってあげたいぐらいなんですけど」
寧ろ代われっ!
「ははっ、イヤミにしか聞こえないぜ!」
はぁ。
教室につくまでが辛い……。
がららっ
じ――――――っ
教室についても辛い……。
私の席は教室の奥の一番端にある。くじ運がいいのか、その前の席は玲の席だ。
日当たりもよく、先生の目もあまり届かない最適な席。