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 社長としては尊敬の域だが、この緩い思考はどうも理解出来ない。よくのこのんなのとあの子は結婚した。



「やっぱり俺の下で…」
『絶対に嫌だね』



 この年で未だ結婚していない。だから急な転勤でも融通が利く。



 それなりの出会いもあったし、付き合いもあった。



 何故か結婚まで踏み切れる相手は居なかった。仕事を優先にしてきたという事もある。



「真保(マホ)が会いたいってさ」
『帰国したら顔見せるよ』
「ああ」



 やっと社長を立ち上がった。帰国したらこういう日ばかりなんだろう。



 社長との関係を隠しているわけではないが、此処へ入った経緯が恥ずかしいから親しい所は見せてない。



「じゃぁ、帰るとする。見送りはいい」
『分かった』



 来月までに色々片付けないと…。



 10年振りの本社勤務…。何か刺激があるだろうか。


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