20
「外回り全員ミーティングルームへ来て」
ピクリと全員が一斉に立ち上がる。すっかり怯えた様子だ。
―…
――…
―――…
聞きしに勝る緩さだ。大得意先を怒らせたのに慌てる様子も無い。慌てるどころか内勤の子に泣き付いた。
前任を見れば納得だ。だからさっさと切れば良かったんだ。
相当な雷を落として事の重大さに気付く。新入社員だって此処まで愚かじゃない。
『湯川さん、この書類なんだけど』
「えっと、君島さんに聞いて下さい」
まただ…。総務の女性社員に何か聞くと必ず君島さんに聞けと言われる。
その君島は自分の仕事を片付けながら周りのフォローもしている。さっきの外回りが頼ったのも君島だった。
『君島さん』
「はい」
スッと立ち上がると軽やかにデスクまで来る。
書類の内容を聞くと簡潔だが事細かに説明してくれた。補足となる資料がある事も教えてくれた。
彼女だけ纏っている雰囲気、空気が違う理由が納得できた。彼女だけは確実に仕事が出来る。この直感は間違っていない。何故そんな彼女がこの緩い部署に居るのだろうか。
ピクリと全員が一斉に立ち上がる。すっかり怯えた様子だ。
―…
――…
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聞きしに勝る緩さだ。大得意先を怒らせたのに慌てる様子も無い。慌てるどころか内勤の子に泣き付いた。
前任を見れば納得だ。だからさっさと切れば良かったんだ。
相当な雷を落として事の重大さに気付く。新入社員だって此処まで愚かじゃない。
『湯川さん、この書類なんだけど』
「えっと、君島さんに聞いて下さい」
まただ…。総務の女性社員に何か聞くと必ず君島さんに聞けと言われる。
その君島は自分の仕事を片付けながら周りのフォローもしている。さっきの外回りが頼ったのも君島だった。
『君島さん』
「はい」
スッと立ち上がると軽やかにデスクまで来る。
書類の内容を聞くと簡潔だが事細かに説明してくれた。補足となる資料がある事も教えてくれた。
彼女だけ纏っている雰囲気、空気が違う理由が納得できた。彼女だけは確実に仕事が出来る。この直感は間違っていない。何故そんな彼女がこの緩い部署に居るのだろうか。