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―…
――…
―――…
資料を取りに来たら大分分かりづらくなっていたので、残って整理を始めた。
誰が取りに来ても分からなければ資料としての意味は成さない。昔よく言われた言葉だ。
ファイルを色別に整理し、更に内容別に分ける。この地味な作業が結構好きだ。
「君島さんも残業?」
『資料整理です』
勿論、タイムカードは押している。残業として認めてとは言わない。
部長は並び直されたファイルをジッと見ている。
「全部君島さんが?」
『はい。ニアミスが多いので』
事細かに記しておけばニアミスは1つでも消せる。自論だが細かい位が丁度良い。
「単刀直入に聞いていいかな?」
『どうぞ』
「今の営業2課をどう思う?」
『どうって…』
「皆帰ったよ」
単刀直入に聞くと言ったけど…。
『…緩過ぎます』
「その感覚を持っている人が居て良かった」
『部長…』
「のほほんとした空気には驚いたよ」
それはずっと前から思っていた。緊張感とか危機感とか此処は皆無だ。
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資料を取りに来たら大分分かりづらくなっていたので、残って整理を始めた。
誰が取りに来ても分からなければ資料としての意味は成さない。昔よく言われた言葉だ。
ファイルを色別に整理し、更に内容別に分ける。この地味な作業が結構好きだ。
「君島さんも残業?」
『資料整理です』
勿論、タイムカードは押している。残業として認めてとは言わない。
部長は並び直されたファイルをジッと見ている。
「全部君島さんが?」
『はい。ニアミスが多いので』
事細かに記しておけばニアミスは1つでも消せる。自論だが細かい位が丁度良い。
「単刀直入に聞いていいかな?」
『どうぞ』
「今の営業2課をどう思う?」
『どうって…』
「皆帰ったよ」
単刀直入に聞くと言ったけど…。
『…緩過ぎます』
「その感覚を持っている人が居て良かった」
『部長…』
「のほほんとした空気には驚いたよ」
それはずっと前から思っていた。緊張感とか危機感とか此処は皆無だ。