20
ノルマだって低すぎる。新入社員と同じ位のノルマだ。
「あと…君の事を調べさせて貰った」
『えっ…』
ドクンと大きく鼓動する。あの日の事がフラッシュバックする…。
未だ思い出すには辛い…。未だ鍵を掛けておきたい。
「君島さん?」
『あっ、はい』
「これから厳しく行くよ?」
『ご指導お願いします』
これ以上触れられなかった事に安堵した。指先は未だ冷たいが、平常心に戻れそう。
「日付が変わるからそろそろ帰った方がいい」
『はい。では、失礼します』
―…
――…
―――…
あんな不安な顔をするとは思わなかった。即座に触れてはならないと察する表情だった。
上手く誤魔化せたかは分からない。彼女の表情は穏やかさを取り戻したから大丈夫だろう。
訳あり社員が居ると聞いていた。外回り全員が訳ありと落胆していたが違ったようだ。
君島の事を指しているのだろう。もっと深く調べる必要がありそうだ。
「初日から残業か?」
『お前こそ』
「あと…君の事を調べさせて貰った」
『えっ…』
ドクンと大きく鼓動する。あの日の事がフラッシュバックする…。
未だ思い出すには辛い…。未だ鍵を掛けておきたい。
「君島さん?」
『あっ、はい』
「これから厳しく行くよ?」
『ご指導お願いします』
これ以上触れられなかった事に安堵した。指先は未だ冷たいが、平常心に戻れそう。
「日付が変わるからそろそろ帰った方がいい」
『はい。では、失礼します』
―…
――…
―――…
あんな不安な顔をするとは思わなかった。即座に触れてはならないと察する表情だった。
上手く誤魔化せたかは分からない。彼女の表情は穏やかさを取り戻したから大丈夫だろう。
訳あり社員が居ると聞いていた。外回り全員が訳ありと落胆していたが違ったようだ。
君島の事を指しているのだろう。もっと深く調べる必要がありそうだ。
「初日から残業か?」
『お前こそ』