Love Rose.


「…あー、えっと…」


ハッキリ言いなさいよ。


やましいことでもあるわけ?


そんな不満を全面に押し出しムゥっと膨れる私を見て、慌てて話し出す専務。


「会長室に、呼ばれて」


「……へ?」


会長に?


「色々話しをしてたら、長居しちゃって…」


すぐに戻ろうと思ってたから、すみれさんに言ってなくて。すみません。


そう言って私に気を使いながら話す専務。


「…会長と、お仕事の話しですか?…会議もあるのに」


…あぁ、思い出した。


会議は15時から。


今は15時5分。


もうやだ。知らない。


「いえ。ただの世間話です。会長は父の知り合いで、家族のようなものなので」


「………」


えーーー!!


なにそれどういうこと?


「知らなかった…」


「はい。なので、後で一緒に会いに行きましょう」


「え?!」


「紹介したいので。ね?」


ぅええ!うそ、え?!


「会長にはもうすみれさんのこと、話してありますから」


会長の入れてくれる紅茶、美味しいんです。


俺もさっきたくさん頂きました。


なんて言ってる専務を横に、私はパニック。


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