Love Rose.
え、え!本当に会うの?
いくらあの会長でも、やっぱり会長だし。
一介の社員の私が、会っていいものなのかしら。
ていうか、専務は私のことを会長にどうお話ししたの?
「私のこと、会長にはなんて…?」
私よりぐんと背の高い専務を見上げて、さぁ、言ってみなさいよ、と強気な視線を送ってみる。
「………反則」
ボソッと専務がなにか言って目を逸らした。
から、余計に詰め寄る。
スーツの衿をキュッと両手で掴んで、ぇえいこの際シワがどうとか関係無いわ!と意気込んで、グッと専務を引き寄せて。
「なんて、言ったんですか」
言わないと絶交!なんて付け足して。
「…絶交は困る…」
「なら言ってください」
さっさと言えっつの!
なんて心の中でイライラしていると、やっと話し出した専務。
「日本に戻って来て、最近どんな感じか、問題はないかと聞かれて」
ふむふむ。
「順調です。って答えて」
それはそうよね。専務取締役という立場は大変だけれど、プレッシャーなんて関係無いような鮮やかで逞しい仕事ぶり。