Love Rose.


え、え!本当に会うの?


いくらあの会長でも、やっぱり会長だし。


一介の社員の私が、会っていいものなのかしら。


ていうか、専務は私のことを会長にどうお話ししたの?


「私のこと、会長にはなんて…?」


私よりぐんと背の高い専務を見上げて、さぁ、言ってみなさいよ、と強気な視線を送ってみる。


「………反則」


ボソッと専務がなにか言って目を逸らした。


から、余計に詰め寄る。


スーツの衿をキュッと両手で掴んで、ぇえいこの際シワがどうとか関係無いわ!と意気込んで、グッと専務を引き寄せて。


「なんて、言ったんですか」


言わないと絶交!なんて付け足して。


「…絶交は困る…」


「なら言ってください」


さっさと言えっつの!


なんて心の中でイライラしていると、やっと話し出した専務。


「日本に戻って来て、最近どんな感じか、問題はないかと聞かれて」


ふむふむ。


「順調です。って答えて」


それはそうよね。専務取締役という立場は大変だけれど、プレッシャーなんて関係無いような鮮やかで逞しい仕事ぶり。


< 11 / 50 >

この作品をシェア

pagetop