Love Rose.


「…真中室長がわざわざいらっしゃって、会議に会長がいらっしゃるから、遅刻や欠席はダメだって」


「……真中が、ここに?」


「だから、一生懸命走って探して、そしたら足に靴擦れが出来ちゃって」


「今日はもう歩かなくていいですから」


「…だけど、以前の部下に会えました。彼、課長になってた」


「へぇ…」


「………でも、貴方を探すのに夢中で、全部忘れてました」


「………」


「貴方のことで頭がいっぱいになって」


「………」


「…だからこれからは、ちゃんと、全部言ってください」


「…はい。わかりました」


「…そうしてくれるなら、結婚してあげます」


なんちゃって、と言おうとした時。


「わ!」


ギュッと強く抱き寄せられて、身体が潰れそうなくらい抱きしめられる。


「せん、む?」


「…雪斗」


「…雪斗、さん」


「…言いましたね。聞きましたよ。撤回は無しです」


「……はい」


こんな些細なことで、脆くなって涙を流して。


貴方に出会ってからの私は、貴方に振り回されて、乱されっぱなし。


だけど、今まで知らなかった自分の感情を、たくさん知ったの。


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