Love Rose.
ギランと目を光らせた千華子に、また始まったと三人でウンザリする。
「…ちかちゃん、相変わらずだよね」
そう言った京香に、あっさりと返す千華子。
「だって、玉の輿よ?」
玉の輿って…、あんたの頭の中はいつもそればっかりよね。
「年は?すみれと近いの?」
「ん、二つ上だったかな」
「そうなの。あんまり変わらないのね」
「純は、二つ上でも駄目だったっけ」
「えぇ、まぁね」
そう、純は純で、年上好き。父親くらいの年齢でも全然大丈夫。
というか、ファザコン。
「…京香は?彼とは上手くいってる?」
「うん、なんとか」
「なんとかって…大丈夫?」
こんなことしか言えない自分が嫌になる。
大丈夫って聞かれて大丈夫じゃないなんて、なかなか言えないっつの。
「…最近、彼仕事が忙しくなって来たから」
ふふ、と少し寂しそうに笑う京香。
大丈夫だろうか。
「…そう。……いつでも、電話して来てね?」
「うん。ありがとう、すーちゃん」
「うん」
「京香、あんたの彼がデザイナーとして売れたら、ガンガン贅沢させてもらいなさい」
「ちかちゃん…、うん、そうする」