Love Rose.


ギランと目を光らせた千華子に、また始まったと三人でウンザリする。


「…ちかちゃん、相変わらずだよね」


そう言った京香に、あっさりと返す千華子。


「だって、玉の輿よ?」


玉の輿って…、あんたの頭の中はいつもそればっかりよね。


「年は?すみれと近いの?」


「ん、二つ上だったかな」


「そうなの。あんまり変わらないのね」


「純は、二つ上でも駄目だったっけ」


「えぇ、まぁね」


そう、純は純で、年上好き。父親くらいの年齢でも全然大丈夫。


というか、ファザコン。


「…京香は?彼とは上手くいってる?」


「うん、なんとか」


「なんとかって…大丈夫?」


こんなことしか言えない自分が嫌になる。


大丈夫って聞かれて大丈夫じゃないなんて、なかなか言えないっつの。


「…最近、彼仕事が忙しくなって来たから」


ふふ、と少し寂しそうに笑う京香。


大丈夫だろうか。


「…そう。……いつでも、電話して来てね?」


「うん。ありがとう、すーちゃん」


「うん」


「京香、あんたの彼がデザイナーとして売れたら、ガンガン贅沢させてもらいなさい」


「ちかちゃん…、うん、そうする」


< 25 / 50 >

この作品をシェア

pagetop