Love Rose.


「千華子にもそんな気遣いが出来たのね。感心だわ」


「…純。なんかものっすごい腹立つ」


「それより」


「それよりってなによ、話終わってませんけど」


「絡んで来る奴は放っておいて、…今はすみれの話でしょう」


「……それはそのとおり」


「すーちゃん、たっぷり聞かせてね」


このやり取りもなんだか久しぶりだわ。とのんびり眺めていたものだから、三人がこちらを向いて、怪しい笑みを浮かべているのに気付くのが遅れてしまった。


「え?」


―――――――――――
――――――――――


あれから1時間。


専務との出会いや出来事から始まって、もう全てを洗いざらい吐かされた。


いや、絞り上げられた。


げっそり。


女って怖いわ。


なんて思いながら、ワインをぐびぐび飲み干す。


そして目の前では、今日何杯目のお代わりを頼んだのかわからない千華子が、お酒で潤んだ視線を向けてくるからドキっとする。


「…専務、ねぇ。私達より二つ上なだけでしょ?やり手ってことよね」


「そうね。でも、すみれが秘書になってたなんて、全然知らなかったわ」


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