Love Rose.
「すみれさん、お帰りなさい」
「せ、雪斗さん。…ただいま戻りました」
「はい。…すみません、車から出るのが遅くなって」
「いえ!全然大丈夫です。私こそごめんなさい、忙しいのにお迎えなんて…」
「俺がしたかったんです。いつでもしますから。」
「……甘やかしすぎです」
「これくらい、まだまだ序の口です。さ、続きは車に乗ってから」
「はい」
そっと彼に背中を押されて車に向かう。
真っ暗な夜に映えるのは、艶やかなボディを携えた、BMW。
ドアを開けて乗せてくれたりなんかするから、まるでお姫様になったよう。
座り心地は最高。
彼にピッタリの車。
運転席に乗り込んだ彼が、ゆっくりと車を進めながら口を開いた。
「…楽しかったですか?」
「はい。久しぶりだったので」
「よかった。晴れやかな表情だなと思ったので」
「…そうでしょうか」
思わず、両手で頬を触る。
「えぇ、なんか、俺も楽しいです」
そう言って、ちょうど信号で止まった時に優しく私の頬を撫でてくれるから、鼓動が波を打つ。
真っ暗な夜に、滑るように車を走らせる彼は、月の光りに照らされて、本当に綺麗。
ほぅ、とため息をついてしまいそう。