Love Rose.
いつだって
「へ?…実家に、ですか?」
「ええ、すみれさんのことを両親に話したら、会いたいと聞かなくて…」
「私、に…」
「…無理はしなくていいですから」
「……はい、あの、少し、時間をもらえますか?」
「もちろんです。…気は遣わないでくださいね」
「はい…」
「…じゃあ、少し仕事して来ます」
「あ、後でコーヒーお持ちします」
「はは、…オフィスにいる時みたいですよ。すみれさん」
「あ」
「そろそろ敬語もやめましょうね」
「…でも、そういう雪斗さんだって敬語だし…」
「あ」
「…ふふ、後でコーヒー、持って行くね」
「ん」
書斎に向かう彼の背中を見送って、ふと考える。
「実家、か…」
彼のご両親は、どんな人だろう。
…私を、どう思う?
『あんたなんかいらない』
もしもそんな風に言われたら、どうすればいいだろうか。
塞がったはずの心の傷は、今も鈍く鼓動を打つ。
どれだけ愛されても、言葉をもらっても、心はいつだって無防備で。
すぐに弱くなって、涙をこぼす。