Love Rose.
両親のいない、…いや、捨てられた私をどう見るだろうか。
一生、こんな機会は来ないと思っていた。
結婚なんて無縁。
誰かと深く関わりを持てば、期待する分失望し、優しさと同じ分傷つくから。
ずっと一人でいい。
そう思っていたから、自分の境遇を思い出して考えたことなんて無かった。
けれど、そばにいたいと初めて思った人だから。
頑なな心と考えを変えてでも、共に歩みたいと思った人だから。
優しさで私の全部を包んでくれる、最愛の人。
どんな未来が待っていようと、取るべき態度は一つ。
自分のことをしっかりと知る必要があるのは明白。
見たことも、存在すらも聞いたことの無い父親のこと。
生まれた時のこと。
ずっと知らずにいた、知る必要など無いと思っていた過去。
その過去と、向き合うべき時が来たんだと、逃げていた自分に自嘲の笑みがこぼれてしまう。
過去へと思いを傾ければ、迷子になった子供のように不安になる。
弱い自分はいらないと誓ったのに。