Love Rose.


「…そうっすか。…俺は、職場の花がいなくなってむさ苦しいです」


「…ふふ、……花?」


花、花…。


第二営業部に女子っていたかしら。


「…相変わらず、鈍いですよね。…すみれさん」


「…んなっ!鈍いって失礼な!」


わかってるけど改めて言われると腹が立つわ。


「…って、ゆっくり話してる場合じゃなかった!」


「そういえば、急いでる感じでしたよね。すみません。引き止めてしまって」


そう謝る佐原くん。


「ううん。話せて嬉しかった。ありがとう。また、ね」


そう言って、彼に手を振って歩きだす。


「……相変わらず綺麗だけど。ますますいい女になってるよな。愛されてるからか?…チッ、俺だって負けねー」


そう呟いている彼に見送られながら。


なにも知らない私は一直線に貴方を探して、貴方へと駆け出していく。


ぎゃーっ、後10分?!


本当どこ行ったの?!


専務の大馬鹿!


高いケーキ買わせてやる!


いっぱい食べてやる!


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