Love Rose.


あの後考えつくところを探したけれど、見つからなくて、仕方なく戻って来た専務室。


「あー、食べた物出そう」


げっそり、って言葉が今の私にはピッタリだわ。


「はぁ、」


足、痛いし。


時間は無いし。


感情が高ぶったからか、なんだかわけもわからず泣きそうだ。


やだやだ。いい年した女がこんなことで泣きそうになるなんて。


「…探さなきゃ」


とりあえず、専務の部屋をもう一度確認しよう。


そう考えてノックをしようと、ドアに手をかざした瞬間。


カチャ


「?!」


「あ、すみれさん。お帰りなさい」


そうドアを開けたのは、お気づきのとおり、私が探して探して見つけられずにいた、高城専務。本人。


「…っ、」


あ、すみれさん、だぁ?


お帰りなさい、だぁ?


こっちは走り回って貴方を探してたのよ!


「…すみれさん?」


…そんな、そんな風に首を傾げたって無駄なんだからね?!


怒ってるを通り越してキレてるのよ!


「…どこに、いたんですか」


さぁ、言ってごらんなさい!


私が納得の行く言い訳をしてちょうだい!


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