王子様×2の事情
「由宇夜ちゃんは、ばかだなぁ」
まるでおとぎ話の王子様みたいな、
そんな笑顔だった。
「なんで?
ゆーや、バカじゃないもん」
その男の子にバカにされたことが何だか悲しくて、
私は涙目になるのを堪えた。
男の子はそのまま私と桜を見て、
またふわりと笑った。
「今日は鬼ごっこしようよ」
「で、でも…」
「明日かくれんぼしようよっ、ね?」
そう言って彼は桜に目を向けた。
桜はこっくりとうなづいて、
「おにごっこもすき」
と、小さな手で私の手を握った。