王子様×2の事情

「…お父さんが?」


コクコク、とうなずくお母さんに、私は頭の中で?マークを浮かべる。


「いや、そんなことしてくれなくても私自分で見つけるし…」


「だめよ!!

…その~えっと~

まぁとにかくすごい条件のいいバイトだから!

騙されたと思って行ってみなさい♪」


そのどもりは何なのだろう。

言葉通り騙されている気分になる私に気づいたのか、慌てて言葉を付け足すお母さん。


「夏休みの間だけでも!ねっ!」


気に入ったら働き続ければいいし!

と、身を乗り出す勢いで進めてくる始末。


……怪しい。
怪しすぎる。
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