大切な人
第一病院に着くと、奈月ちゃんのお母さんがいた。



「今、奈月ちゃんはどこにいますか?」



「3104号室にいるわよ。まだ意識が戻らないらしいの。」




「はい。すぐ向かいますね。」



そう言うとエレベーターに駆け込んで3階まで急いだ。



助かってくれ。そう思ったら涙が溢れそうだった。





今までのことが思い出される。



奈月ちゃんの笑顔。一緒にご飯作ったよね。



それに僕が作ったご飯、おいしそうに食べてくれたね。




その一つ一つが大事な時間。かけがえのない時間。






それを失いたくない。





そんなことを考えながら病室に入った。

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