大切な人
そこにはいろんな機械に繋がれた奈月ちゃんがいた。



その姿を見ただけで泣けてきた。




僕はゆっくり歩いて隣まで行って手を握った。




目を覚ましてくれ。そう願いながら強く握った。





握り返してはくれなかった。





ひたすら祈りながら手を握っていた。





数時間後




心拍数を示す機械からアラーム音が鳴った。



僕はビクッとしてナースコールを押した。



すぐに看護婦さんやお医者さんが来た。


僕は自分の手を握りしめながら助かってくれと祈っていた。





しかし、お医者さんの言葉は無情なものだった。





「ただいま息を引き取りました。」
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