奴隷戦士
賭けにでた。
ぼくは蓮を前にいる奴に投げた。
相手は咄嗟に蓮を振り払った。
そのわずかなスキに、自分の足元にあった銃を手に取り、見様見真似で引き金を引いた。
ドォンッと先ほどと同じような重い音がした。
運よく銃弾は相手に届き、バタンと倒れた。
反動が肩にきて、痛い。
そんなことよりも、花は?
「花っ!」
今度こそ、俺は花ちゃんに駆け寄り、抱きかかえる。
腕の中の花ちゃんはぐったりしていて、唇は青くなっていた。
淡い着物はもはや真っ赤に染まっていた。
着物は真っ赤なのに、顔や体の色は白色で、それがまたぼくの心をぎゅっとつかんだ。
手を握るが、冷たい。
そんな、嫌だ。
「花!花!」
あぁ、だめだ、視界が。
あぁ、だめだ、思考が。
どんどん悪い方向へと思考が進んでいく。
「花ちゃん!」
一体何度呼んだだろうか。
ゆっくりと、彼女が目を開けた。