奴隷戦士
花のオデコにそっと口付けて、ぼくは彼女がつけている淡い青の髪紐を、自分の腕に巻き付けた。
これで、一緒に居られるでしょう?
再び込み上げてくる、彼女を守れなかった悔しさに涙が流れていく。
「花は俺がおぶっていくから」
年長が言った。
ーー私のお気に入りだけど紐紫朗にあげる
ふいに、頭の中でこだました。
彼は花を抱きかかえて、ぼくの手をひいて外へ出ようとしている。
「待って!」
ぼくは手に持っていた蓮の太刀を彼に渡し、脇差を取りに行った。
脇差も、少し重たかった。