奴隷戦士
血だらけになった彼女を、ザクロの部下が抱きかかえ、肌が黒い彼と一緒にこの大きな部屋から出ていった。
彼の傷は、彼女にもぎ取られた腕も、頬の肉も、ぼくが殴って傷つけたところも、なくなっていた。
彼がこの部屋から出ていく前、彼は何か、言いたそうな表情をしてぼくを見ていた。
その表情が、どうして悲しんでいるように見えたのか、ぼくにはわからなかった。
「ぼくは…」
なんのために、ぼくは連れてこられたのだろうか。
彼らを傷つけるため?
花ちゃんにもらった、この蓮で?
自分が嫌になる。
「…………っ……」
いっそのこと、このまま自分で自分を刺して、死んでしまおうと考えた。
だけど、ぼくにはそんな勇気もなかった。
それに、彼女はぼくに「生きろ」と言った。