奴隷戦士
「ありがとう…ぼくは紐紫朗」
やっと彼にお礼を言えたところで、フィーネは微笑んだ。
「君がジュウシロウ?」
フィーネは白いまつげをぱちぱちさせた。
「ぼくのこと、知っているの?」
「リャノとギルから話は少しね」
彼はぼくと同じくらいの長さの後ろ髪を、手で梳いた。
「リャノとギル…」
ヤンに戦えと言われたあの二人のことだろうか。
「あの二人は…ぼくのこと嫌っているのかな……」
だからずっとぼくを殺そうと躍起になっているのだろうか。
「さぁ…それはよく分からないけれど、本人たちに直接聞いた方が早いんじゃない?」
フィーネの言っている意味が分からず、彼の視線の先を見る。
「あれ?なんでオマエがここにいんの?」
「あ」
その視線の先には、黒い肌の男の子と、茶色と黒の髪をした女の子…もとい、リャノとギルがいた。