奴隷戦士
紐紫郎とジューシロー



「どうもお前は私の言うことを聞かないねえ」


ベッドにくくりつけられて身動きが取れない。


またザクロが何かの液体をぼくの体に入れようとしている。


力一杯動くも、ただぼくは縛り付けられたベッドの上で踊っているだけだった。


大きな声をあげてもそれは変わらず、全身で拒絶を表しても体力が消耗していく事実だけを突きつけられる。


ザクロがぼくの腕を動かないように抑える。


その注射針の先がぼくの皮膚に食い込む。


何かが入ってくる感覚は毎回気持ち悪い。


急激に頭が重くなって、ぶわっと汗が湧き出てくる。


指先から温度が下がっていく。


体から力が抜けていく。


目を開けていられない。


ザクロが笑った気がした。
< 92 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop