ビロードの口づけ 獣の森編
(10)
灯りを消した暗い寝室にクルミの甘い声が絶え間なく響く。
もう何度も登り詰めては果てていた。
それでもジンは容赦なくクルミを攻め立てる。
おまけに今宵のジンは特に激しかった。
「あっ……あっ……あん……あぁっ……も、もう……許して下さい……」
「だめだ」
クルミの懇願をジンは冷たく一蹴する。
これも何度か繰り返されていた。
全身を熱が駆け巡り、汗が滲み出す。
ジンは時々、クルミの首筋や胸の谷間に舌を這わせてそれを舐め取った。
そのたびに益々身体は熱を帯びた。
再び高まり始めたクルミは、無駄だと分かっていてももう一度懇願する。
「お願い……もう……」
目の前でジンがニヤリと笑った。
「まだだ」