ビロードの口づけ 獣の森編
覆い被さるようにして一度口づけた後、ジンは目の前でニヤリと笑った。
「オレの事しか考えられないようにしてやる」
耳元で囁いた唇は、舌でなぞりながら耳たぶをくわえる。
背筋にゾクリと刺激が走る。
「あ……」
思わず漏れた声に、ジンが満足げな笑みを浮かべた。
「そうやってオレに集中してろ。二度とうわの空にさせるか」
激しく長く口づけて、その後肌の上を滑る唇と舌。
しなやかに優しく、時々激しく荒々しく触れる温かい手指。
全身を絶え間なく駆け巡る快感に、言われるまでもなくクルミはジンの事しか考えられなくなっていった。