【短編】拝啓、初恋のキミへ。
「全部…覚えててくれたの?」
そう言うと、咲也くんは崩れるように座り込み顔を、その大きな手で隠すようにうなだれた。
「…俺、美佳が4年前に好きだった物しか知らない。
ごめん。全部母さんに隠されて、今日まで美佳が手紙くれてたなんて知らなかった」
ってことは……
「返信ないのに……手紙くれてたの?…」
「送ってれば、いつか帰ってくるかもって」
3年間も…ずっと?………
どれだけ…心細かったんだろう。
返ってこない手紙を待ってたのは…