【短編】拝啓、初恋のキミへ。
しばらく、抱きしめられていると、あることに気づいた。
「さ、咲也くん…あんまりくっつくと、風邪…移っちゃう」
そう。
私が風邪を引いているということ。
私は離れようとしたけど、咲也くんがそれを許さず、優しく微笑んだ。
「いいよ。
美佳の風邪、俺に移して」
そう言うと、咲也くんは私に優しく口づけた。
しばらくして、息が苦しくなった私は酸素を吸うために、軽く口を開けた。
すると、口の中に、生温かい“何か”が、入り込んだ。