【短編】拝啓、初恋のキミへ。



「じゃあ次の問題を――

結城!お前なら解けるか?」



「X=5っスか?」




「正解」




すげぇという歓声の中から、私は教科書で顔を隠しながら咲也くんを盗み見ていた。


右目の下に、確かにホクロはあるのに…



なんだか別人みたい。




昔は美佳って呼んでくれてたのに……


「オイ。

テメー、さっきから人の顔ジロジロ見てんじゃねーよ」


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