ナクシタモノ
ナクシタモノ
放課後の靴箱は賑わっている。
まるで今からが一日の始まりかのように浮かれた生徒が足早に過ぎていく。
彼はそんな人達を見ながら邪魔にならない隅の壁にもたれて立っていた。
10分、20分…と過ぎていく。
だんだん生徒の数も少なくなり、とうとう目の前に通る人は居なくなった。
どれくらい待っているのか確かめるために腕時計に目をやる。
「30分…すぎたかぁ」
ぽつりと呟いた彼はもたれかかった壁から背を離すと奥に長い廊下を歩き出した。
廊下の横には教室が連なっている。
ペタペタと彼の上履きの音が静かな廊下に響いた。
ふと一つの教室から誰かが顔を出し呼び止めてきた。
「ケータくん!」
聞き覚えのある声に呼び止められ振り返る。
「何してるの?」
まるで今からが一日の始まりかのように浮かれた生徒が足早に過ぎていく。
彼はそんな人達を見ながら邪魔にならない隅の壁にもたれて立っていた。
10分、20分…と過ぎていく。
だんだん生徒の数も少なくなり、とうとう目の前に通る人は居なくなった。
どれくらい待っているのか確かめるために腕時計に目をやる。
「30分…すぎたかぁ」
ぽつりと呟いた彼はもたれかかった壁から背を離すと奥に長い廊下を歩き出した。
廊下の横には教室が連なっている。
ペタペタと彼の上履きの音が静かな廊下に響いた。
ふと一つの教室から誰かが顔を出し呼び止めてきた。
「ケータくん!」
聞き覚えのある声に呼び止められ振り返る。
「何してるの?」