IMITATION LOVE

「…ごめん。見張りは悩んだんだ。


……でも、静香と世羅にもしものことがあったらって思うと…。

僕にとっては、２人とも、離れていても大切な家族だからね。」





ちょっと照れたように笑う夏目さんを見て、私は随分と彼に心を開き始めているような気がした。




だって…悪い人には見えない。


ママのことも大事に思ってる気持ちに嘘はないように見える。





………それなら。


…なぜママは、夏目さんのもとからも逃げ出したの……？







目の前にいる夏目さんの笑顔に釣られて少し微笑みながら。



どうしてって思う気持ちは、いつまでたっても消えてくれなかった。