IMITATION LOVE
もしも…ママが事故に遭ってなかったら、なんて思っても仕方ないってわかってる。
そんなの聞き分けのない子供がすることだって、わかってる。
…でも………。
「ちょっとだけなら、泣いてもいいよね…。」
これからどうなるのか、ただ、ひたすら不安なの…。
ベッドの上に置いてあったクッションを抱きしめて、私は声を殺して静かに涙を零した。
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「おはよう、世羅。
よく眠れたかな?」
朝、昨日リビングだと教えられた部屋に行くと、夏目さんがテーブルに着き新聞を読んでいた。
昨日、泣きながら寝てしまったから、起きたとき目が腫れてないか心配だったけど……。
クッションが吸い込んでくれたみたいでよかった。
夏目さんも気づいてないみたい。