IMITATION LOVE







さっき、パパに目を逸らされたとき、悲しかったけど、でもちょっとだけホッとしたの。




それは…多分……、ママのことを本気でパパは好きって気づいてしまったから。






仕方なかったんだよね…。





そう思っても、鼻の奥がツンとする。



涙が溢れそうになるのを必死に堪える。


お昼には出かけるのだから…昨晩みたいに泣くのはまずいって自分に言い聞かせて。




…でも、この短い間に、私の涙腺はかなり緩まってしまったのか、すぐに水の粒が目尻に溜まる。





でも、ここで泣いたら…あのパパのお父さんに負けた気がしてしまう……。





痛いほど唇を噛み締め涙を堪えたのは、私のせめてもの意地だった。






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