IMITATION LOVE
私はパパから渡されたワンピースとともに、お手伝いさんからお化粧を施された。
お化粧なんて…久々。
昨日までの私は面倒臭くて、お化粧なんて滅多にしたがらなかったから。
パパの待ってる玄関に急ぐ。
一瞬、驚いたように目を見開いたパパは、次に瞬きしたときにはにっこり笑ってた。
「静香に似て世羅も美人だね。」
「ママに似て、はママに失礼です…。
私は…鼻もぺたんこだし……。」
私とママは似ていない。
ママは目鼻立ちがはっきりしていて、背だってスラッと高い。
でも…私は背も低いし、丸顔だし……。
「でも…ありがとう、パパ。」
社交辞令だとは分かっているけど、少しだけ緊張がほぐれた気がした。