IMITATION LOVE
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「夏目さん、先日の取引ありがとうございました。
うまく軌道に乗ったようで何よりです。」
「いやいや、こちらこそ!
大河内さんのお力添えがあったからこそです。」
パパと相手の大河内さんのお父さんとの会話に、私は小さくため息をついた。
目の前には豪華に盛り付けられた海鮮料理。
…そして、料理のその先には、私のお見合い相手の大河内さんが座っていた。
さっき、初めて会ったときの印象は…私からすると、結構年上だろうということ。
…それと、私とでは釣り合わないくらい、彼は端正な顔立ちをしていた。
正直、今まで他の方との結婚の話が持ち上がらなかったことが信じられない。
許婚としての相手が、当時生まれたばかりだった私というのが、ものすごく申し訳なかった。