IMITATION LOVE
「世羅さん、具合悪いの?」
目の前から降り懸かった低くて甘い声。
っ…どうしよう!
お見合いの席でため息なんて…、とっても失礼なことなのに…。
「いえっ…あの……。
お腹いっぱいで…。」
慌てて顔を上げると、心配そうな表情の大河内さんとばっちり目があってしまった。
「無理に食べることはないよ。」
大河内さんの色素の薄い瞳にジッと心の中を見透かされるように見つめられ、耐え切れなくなった私は避けるように俯いた。