IMITATION LOVE
「…あの、世羅さんが気持ち悪そうなので、化粧室に連れて行っても構いませんか?」
……え!?
思いもよらない提案に、私は慌てるしかなくて。
「…いえ!大丈夫です!
あの…本当に!」
首を横にふるのに、親たちは大河内さんに賛成の手を挙げる。
「2人で話すいい機会じゃないか。」
……トイレが?
「要君がせっかく心配してくれているんだ。
行ってきなさい。」
「…………はい。」
渋々頷くと、大河内さんは眩しい笑みを向けて来て、やっぱり私はぎこちない笑顔を返した。