モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
***
今、美雨は男ーー…
一ノ瀬杜(いちのせ もり)が指定した場所まで来ていた
結局、美雨は絵のモデルを受けることにした
理由はやはり杜をもっと知りたかった
そして、無表情の男が描く絵をこの目で見てみたかった
ただ、ほんの少し美雨は迷っていた。杜に近づき杜に溺れてしまうのが怖かった
真山との恋の様にあっけなく終わりを告げられるのが怖かった
美雨は間違いなく杜に溺れていくであろう自分の姿が簡単に想像出来た
指定された雑居ビルの前で美雨が途方に暮れていると
「このビルに何か用かな?」
杜とは正反対の非常に愛想のいい男が声を掛けてきた。見た感じ、スラッと背も高くがっしりとしていて、短く切り揃えられた黒髪は好感度を全面に押し出していた
ただ、少し猫目でつり上がった所だけが、唯一その男の隙の無さを強調しているように思われた
「もしかして杜の所に来た?」
「あっ、はい…」
「じゃ、案内するよ。行こう」
そう言うとやたらと愛想の良い男は目の前の雑居ビルの中へと入っていった
美雨もそれに続いた
今、美雨は男ーー…
一ノ瀬杜(いちのせ もり)が指定した場所まで来ていた
結局、美雨は絵のモデルを受けることにした
理由はやはり杜をもっと知りたかった
そして、無表情の男が描く絵をこの目で見てみたかった
ただ、ほんの少し美雨は迷っていた。杜に近づき杜に溺れてしまうのが怖かった
真山との恋の様にあっけなく終わりを告げられるのが怖かった
美雨は間違いなく杜に溺れていくであろう自分の姿が簡単に想像出来た
指定された雑居ビルの前で美雨が途方に暮れていると
「このビルに何か用かな?」
杜とは正反対の非常に愛想のいい男が声を掛けてきた。見た感じ、スラッと背も高くがっしりとしていて、短く切り揃えられた黒髪は好感度を全面に押し出していた
ただ、少し猫目でつり上がった所だけが、唯一その男の隙の無さを強調しているように思われた
「もしかして杜の所に来た?」
「あっ、はい…」
「じゃ、案内するよ。行こう」
そう言うとやたらと愛想の良い男は目の前の雑居ビルの中へと入っていった
美雨もそれに続いた