モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
あの時ーー…


杜に抱かれた日
確かに、美雨は自ら身に纏っているものを何の躊躇いもなく、脱ぎ捨てた


けれど、それは少しでも早く真山の形跡を消したかったからであって、美雨自身、自ら脱ぐなんて…
そんな経験なんてなかった






「まぁ、いいわ。今日のところはね。だけどさ、勘違いしないで欲しい。俺はあんたの事、被写体としてしか見ていない」


ピシャリと言い放った杜の言葉に、美雨は自分が今しがたまで自惚れていた事に気付いた


杜が自分の事を少しでも好いてくれているんじゃないかと


だから、あの時も杜は自分の事を抱いたのではないかと、ほんの少し淡い期待を寄せていた


けれど、それは全くの勘違いであった事に今、気づかされたのだ




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