モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
***


結局、あの日以来
杜とは会っていなかった
連絡が有るわけでもなく、美雨から連絡することもなかった


それに美雨も、杜からの
『被写体としてしか見ていない』
と、いう言葉にかなりショックを受けていた


と、同時に
それほどまでに、あの男に心を奪われていたのかと、自分自身に呆れてもいた






美雨のアルバイト先である雑貨屋は大抵暇だった。けれど、置いている商品はどれもセンスの良いものばかりで、美雨自身、この雑貨屋が気に入っていた


なのに何故、暇なんだろうと美雨は常に疑問に思っていた


ほとんどの商品は海外の物で
カラフルなマグカップやドイツ製の文具
動物の形をしたメモ用紙に
パリの街角を写した絵はがき
可愛い柄のシュシュなんかも置いてたりした


その殆どは、オーナーが旅先などで目についた物を片っ端から仕入れてきたものだ





「美雨ちゃん、休憩行ってきて」


と、この店のオーナーである神村 駿太郎(かみむら しゅんたろう)が声を掛けた














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